原酒造 新潟県柏崎市

原酒造の概要

原酒造株式会社は、新潟県柏崎市の酒蔵です。

代表的な銘柄は『こしほまれ』です。

原酒造の歴史

私たちが蔵を構える新潟県柏崎市は、16の海水浴場と刈羽三山に囲まれた自然豊かな町です。原酒造が創業した文化11年(1814)、当時日本海に面した柏崎は北国街道の宿場町、そして北前船の要所として活気に溢れていました。

江戸時代後期から200年以上の長きに渡り、このふるさとに育まれ酒を醸し続けてきたのが原酒造です。
日中国交正常化の折には記念晩餐会の乾杯酒に選ばれる栄誉を賜り、その後も代表銘柄「越の誉」は数々の受賞に輝いてきました。

ここではそんな私たち原酒造の200年の歩みの中で大きな転換点となった出来事を振り返っていきます。

【鋳物師屋からの転身】

原酒造の創始者は原幸太郎。元々は鍋作りと修理を請け負う鋳物師(いもじ)を生業としていました。日本海に面した柏崎では江戸時代初期から製塩が盛んに行われ、海水を煮る鍋に需要が高かった為だと言われています。

鋳物師屋の嫡男として生まれた幸太郎でしたが、その家督を妹に譲り、心機一転の起業に踏み切ります。これが文化11年、原酒造店誕生の瞬間です。

鍋鋳物師から生まれた原家の屋号は「なべや」。酒造りを生業としてからも原酒造は「なべやさん」の愛称で親しまれ、現在でも蔵の壁面に刻まれた「まるな」の文字に受け継がれています。

港町で栄えた柏崎の地で原酒造店は順調に繁盛し、明治時代には柏崎を代表する銘醸へと成長しました。
順風満帆な歩みに、その先に待ち受ける困難など誰も知る由無かったことでしょう。

【先人たちの決意】

明治44年(1911年)、四代目蔵元・原吉郎の時代に最初の窮地が訪れます。

柏崎で起こった大火災、柏崎大火。強い海風に煽られた炎は町を飲み込み、原酒造店の蔵までをも容赦無く焼き尽くしました。建物は全焼、重なるように取引銀行は破産。原酒造はそれまでに積み上げてきた全ての財産を失いました。

「酒というものは得てして負の価値を持つもの。度重なる不幸に見舞われてもなお、本当に酒を醸し続けるのか……」 そんな葛藤の中、一度は廃業を考えたという吉郎。しかし思い悩んだ末に、酒が人にもたらす喜びと慰めの価値を見つめ直し、改めて酒造りに意義を見出します。

形ある財産を失いつつも、歴史が育んだ精神と情熱によって蔵人たちは原酒造を再興。威風堂々たる「東蔵」、36間もの長さを持つ「西蔵」を完成させ、その後、天皇陛下御巡幸の際には天覧の栄誉を賜りました。

蔵人たちは酒造りに心血を注ぎ、その味は高い評価とともに全国へと知られていくことになります。

【再び失われる蔵、試される不屈の精神】

しかし、原酒造に再び天災が降り懸かります。

まだ記憶に新しい2007年7月に発生した「中越沖地震」。柏崎市は震度7の地震によって甚大な被害を受け、それは歴史ある建物を多く有する原酒造も例外ではありませんでした。

先人が建て上げた「東蔵」「西蔵」は見る影なく全壊し、折れた煙突と瓦礫に埋もれた貯蔵タンクは血の気の引く様相でした。事務所や販売店を含めて社屋の七割が倒壊しただけでなく、明治時代以前の歴史資料もこの災害によって失われます。長い年月をかけて積み上げてきた歴史がほんの数分の揺れで全て失われたことへの悔しさは計り知れないものでした。

それでも生産設備、精米機、瓶詰め工場の被害が比較的軽微だったのは不幸中の幸いでした。そして何より奇跡的だったのは、この甚大な被害の中にあっても社員全員が無事だったことです。もし震災が平日もしくは冬場の仕込み期間であったなら、悲惨な被害が出ていたことは間違いのない被災状況でした。

無事だった蔵人社員たちは奮起し、震災翌日から一丸となって復旧に取り掛かりました。割れた日本酒1万本の撤去や、倒壊した土蔵のがれきから重機で酒の貯蔵タンクを救出するなど、真夏の炎天下に黙々と作業にあたりました。一人一人が被災した中でも蔵に集まり復旧作業を続け、二ヶ月半でなんとか業務ができる体制まで戻します。

「こんな時だからこそ、絶対に質の悪いものは出さない。」

当時、蔵人たちはそんな強い思いを胸に救出したお酒たちを出荷していきました。地元や全国からの沢山の温かい応援のおかげで何とか窮地を踏みとどまり、被災からの復興を果たすことが出来ました。

倒壊した蔵に代わり、新蔵である和醸蔵・直売店である酒彩館が完成して現在に至ります。

柏崎大火や中越沖地震の他にも中越地震など様々な災害や困難に遭い、その度に乗り越えてきた私たち原酒造は、誇りを持って今日も酒造りに向き合っています。

江戸時代にはじまり、現代に続く酒造りの伝統と精神。

誇り高い歴史を受け継ぎながら、日本酒の新たなステージへ向かいます。

原酒造のアクセスと駐車場

JR柏崎駅より徒歩8分
柏崎ICより車で15分
米山ICより車で20分

【駐車場】
駐車場完備(無料)※大型車専用もございます。

原酒造の住所と電話番号

原酒造株式会社

〒945-0056
新潟県柏崎市新橋5−12

TEL:0257-23-6221
FAX:0257-20-1032

原酒造の見学

原酒造では団体のお客様、観光ツアーのお客様を対象に酒蔵見学を受け付けております。

弊社の酒造り工程や歴史についてお話ししながら蔵人が和醸蔵の中をご案内。実際の麹室を覗いたり、貯蔵室などを見学いただいた後は、酒彩館にて実際に仕上がったお酒を試飲いただけます。※2022年現在、感染拡大予防により試飲は休止中

【内容】酒蔵内のご案内、ご説明、試飲など
【料金】無料
【受付可能日】お問い合わせください
【所要時間】30分程度〜(ツアー日程等により調整いたします。お気軽にご相談ください)
【ご予約・お問い合わせ】(受付時間 平日8:00~16:30)
TEL 0257-23-6221 FAX 0257-20-1032

【注意事項】
・必ず事前にご予約下さい。ご来館当日の蔵見学受付は承っておりません。
・ご案内できる日程には限りがございます。詳細はお問い合わせください。

※駐車場完備。大型バス駐車可能。
※敷地入口の看板が分かりづらくなっております。のぼり旗を目印にお入り下さい。

原酒造のホームページ

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Posted by 新潟の地酒