「特別本醸造酒」とは?
特別本醸造酒とは特定名称酒の一つで、精米歩合60%以下の白米を使用する、または特別な醸造方法で造られた、醸造アルコールの使用量が白米の10%以下の清酒のことです。
特別純米酒と同じように、香りや味わいなどによって吟醸酒と区別されます。
精米歩合の規定を満たしていない場合でも、特別な工夫がされた醸造方法をとることで特別本醸造酒の表記がされる場合があります。
特別本醸造酒の味わいはどんな感じ?美味しさの秘密はここにあり!
吟醸酒と精米歩合の規定が同じ60%以下の特別本醸造酒は、吟醸酒と比べてスッキリとキレの良い飲み口が特徴のものが多いです。また、本醸造酒と比べて雑味が少ないのも特徴です。
特別本醸造酒と本醸造酒の違いを解説します。どちらがいいかはあなた次第
特定名称 | 使用原料 | 精米歩合 | こうじ米使用割合 | 香味等の要件 |
---|---|---|---|---|
特別本醸造酒 (とくべつほんじょうぞうしゅ) | 米 米こうじ 醸造アルコール | 60%以下又は特別な製造方法(要説明表示) | 15%以上 | 香味、色沢が特に良好 |
本醸造酒 (ほんじょうぞうしゅ) | 米 米こうじ 醸造アルコール | 70%以下 | 15%以上 | 香味、色沢が良好 |
※白米の重量に対する醸造アルコール添加量が10%以下であること
特別本醸造酒と本醸造酒の違いの一つは精米歩合です。本醸造酒が70%以下であるのに対し、特別本醸造酒は60%以下とより多くお米を磨いていることが分かります。そのため、本醸造酒よりも雑味の少ない味わいになることが多いです。
また、精米歩合の規定を満たさない場合でも、特別な製造方法で造られたお酒を特別本醸造酒とする場合もあります。
特別な醸造方法の明確な基準はありません。各蔵元や酒造メーカーによってそれぞれ定義が異なります。
特別な醸造方法の例として、大吟醸並の長期低温発酵で造られたものや、農薬、化学肥料の使用を極力抑えた特別栽培米を使用したものなどがあげられます。
同じ蔵で造られた本醸造酒と比較した際に、原料が大きく異なる場合にも特別本醸造酒の表記がされることがあります。
特別本醸造酒と大吟醸酒の違いはココにあり!
特定名称 | 使用原料 | 精米歩合 | 米こうじ使用割合 | 香味等の要件 |
---|---|---|---|---|
特別本醸造酒 (とくべつほんじょうぞうしゅ) | 米 米こうじ 醸造アルコール | 60%以下又は特別な製造方法(要説明表示) | 15%以上 | 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好 |
大吟醸酒 (だいぎんじょうしゅ) | 米 米こうじ 醸造アルコール | 50%以下 | 15%以上 | 香味、色沢が特に良好 |
※白米の重量に対する醸造アルコール添加量が10%以下であること
特別本醸造酒と大吟醸酒の違いの一つは精米歩合です。特別本醸造酒が60%以下であるのに対し、大吟醸酒は50%以下とより多くお米を磨いていることが分かります。大吟醸酒の方が雑味の少ない華やかな味わいになることが多いです。
また、違いの一つとして吟醸造りの有無も挙げられます。
吟醸造りの定義に、「吟醸造りとは、吟味して醸造することをいい、伝統的に、よりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、かすの割合を高くして、特有な芳香(吟香)を有するように醸造することをいいます。」とあります。
しかし、どのくらいの低温でどのくらいの時間発酵させるのか、またどの酵母を使うのかなどの具体的なルールはありません。
各蔵元の基準で吟味して醸造されたものが吟醸造りとなります。そのため、蔵元ごとに定義は異なります。
特別本醸造酒のおすすめの飲み方はこちら!
特別本醸造酒はスッキリとした味わいの物が多いため、まずは常温か冷やして飲むのがおすすめです。
また、特別な製造方法で造られた特別本醸造酒の場合、蔵元や酒造メーカーが推奨する飲み方で楽しんでみてください。
特別本醸造酒の賞味期限をズバリお答えします!これで安心して買えます
特別本醸造酒に賞味期限はありません。理由として、比較的度数の高いアルコールが含まれていることが挙げられます。
アルコールの殺菌作用により、未開封の状態であれば腐敗のおそれがほとんどありません。そのため、食品表示法により賞味期限の表示が免除されています。
ラベルに表示された日付は『製造年月』になります。賞味期限の代わりに製造年月の表示が義務付けられているためです。
この製造年月とはお酒が絞られた日付を示すのではなく、濾過や火入れなどの工程ののち、パック詰めや瓶詰めされた日付を指しています。
特別本醸造酒の場合、開栓前であれば製造年月から10カ月程度までそれほど味わいの変化のない状態で楽しめます。
特別本醸造酒は紫外線や温度変化に弱いため、日光や照明に当たらない涼しい場所に保管してください。新聞紙で瓶をくるんであげるのがおすすめです。冷蔵庫で保管する場合、庫内の照明を落としてあげるとより効果的です。
開栓後も同様に冷暗所で保存します。開栓後のお酒は酸化が進むため、香りや味わいに変化なく楽しめる期間は開栓から約3日ほどです。少なくとも1週間程度で飲みきるのが望ましいです。
火入れ(低温加熱殺菌)をしていない生酒の場合は開栓前/開栓後に限らずできるだけ早めに飲み切ってください。
また、開栓前/開栓後に限らず酒瓶を寝かせてしまうと、お酒が空気に触れる面積が大きくなってしまうほか、容器のキャップが痛む可能性もあるので、酒瓶は立てて保存してください。