「特別純米酒」とは?
特別純米酒とは特定名称酒の一つで、精米歩合60%以下の白米を使用する、または特別な醸造方法で造られた、醸造アルコールを一切使用しない清酒のことです。
特別純米酒・純米酒・純米吟醸酒の違いを解説!
特定名称 | 使用原料 | 精米歩合 | こうじ米使用割合 | 香味等の要件 |
---|---|---|---|---|
特別純米酒 (とくべつじゅんまいしゅ) | 米 米こうじ | 60%以下又は特別な製造方法(要説明表示) | 15%以上 | 香味、色沢が特に良好 |
純米吟醸酒 (じゅんまいぎんじょうしゅ) | 米 米こうじ | 60%以下 | 15%以上 | 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好 |
純米酒 (じゅんまいしゅ) | 米 米こうじ | ― | 15%以上 | 香味、色沢が良好 |
※白米の重量に対する醸造アルコール添加量が10%以下であること
大きな違いは主に精米歩合です。純米酒には精米歩合の規定はありませんが、特別純米酒と純米吟醸酒はともに60%以下となっています。精米歩合の規定は同じですが、香りや味わいなど、造り手のコンセプトの違いによって区別されます。
純米吟醸酒は吟醸香と呼ばれるフルーティーで華やかなで香りを特徴としたものが多くあります。
これに対して特別純米酒は、香りよりもコクのある深い味わいを残しつつ、純米酒よりさらにお米を磨くことで雑味の少ないスッキリとした飲み口を目指して造られることが多いです。
また、精米歩合の規定を満たしていない場合でも、特別な工夫がされた醸造方法をとることで特別純米酒と表記される場合があります。
特別な醸造方法の明確な基準はありません。各蔵元や酒造メーカーによってそれぞれ定義が異なります。
特別な醸造方法の例として、大吟醸並の長期低温発酵で造られたものや、農薬、化学肥料の使用を極力抑えた特別栽培米を使用したものなどがあげられます。
同じ蔵で造られた純米酒と比較した際に、原料が大きく異なる場合にも特別純米酒の表記がされることがあります。
特別純米酒の賞味期限は季節によって変わる?ポイントはココ!
特別純米酒に賞味期限はありません。理由として、比較的度数の高いアルコールが含まれていることが挙げられます。
アルコールの殺菌作用により、未開封の状態であれば腐敗のおそれがほとんどありません。そのため、食品表示法により賞味期限の表示が免除されています。
ラベルに表示された日付は『製造年月』になります。賞味期限の代わりに製造年月の表示が義務付けられているためです。
この製造年月とはお酒が絞られた日付を示すのではなく、濾過や火入れなどの工程ののち、パック詰めや瓶詰めされた日付を指しています。
特別純米酒のかしこい保存方法を教えます!
特別純米酒の場合、開栓前であれば製造年月から1年程度までそれほど味わいの変化のない状態で楽しめます。
特別純米酒は紫外線や温度変化に弱いため、日光や照明に当たらない涼しい場所に保管してください。新聞紙で瓶をくるんであげるのがおすすめです。冷蔵庫で保管する場合、庫内の照明を落としてあげるとより効果的です。
開栓後も同様に冷暗所で保存します。開栓後のお酒は酸化が進みますが、吟醸酒と比べると香味の劣化スピードは遅い傾向にあります。冷蔵保存した場合、香りや味わいに変化なく楽しめる期間は開栓から2週間~1カ月ほどです。そのため、時間経過による香味の変化を楽しむこともできます。
火入れ(低温加熱殺菌)をしていない生酒の場合は開栓前/開栓後に限らずできるだけ早めに飲み切ってください。
また、開栓前/開栓後に限らず酒瓶を寝かせてしまうと、お酒が空気に触れる面積が大きくなってしまうほか、容器のキャップが痛む可能性もあるので、酒瓶は立てて保存してください。
特別純米酒のベストな飲み方はこちら!これが分かれば特別純米酒が好きになる!
特別純米酒は幅広い温度帯でお楽しみいただけます。おすすめは常温やぬる燗、熱燗などです。
常温の特別純米酒は口当たりが柔らかく、そのお酒が持つ本来の味わいを楽しめます。利き酒を行う際も、この温度で飲まれることが多いです。
純米酒は燗上がりするお酒と言われています。温度が上がるほど甘味や旨味を感じやすくなり、酸味を感じにくくなります。
また、香り成分は温度が上がるほどに発散しやすくなるため、より香りを楽しむことが出来ますが、同時にアルコール感も強くなります。
そのため、しっかりとした味わいの特別純米酒はが燗酒にピッタリです。口当たりもまろやかになり、より深いコクを楽しむことが出来ます。
また、水とお米だけで造られているため、お米に合う料理との相性は抜群です。いろいろな温度帯で楽しめる点も料理との合わせやすさに一役買っています。
特別な製造方法で造られた特別純米酒の場合は、蔵元や酒造メーカーが推奨する飲み方を試してみましょう。
温度が5℃違うだけで味わいが大きく変わるのも日本酒の魅力の一つです。ぜひ温度による味わいの変化を楽しんでください。
特別純米酒の精米歩合はこちらが主流です
特定名称 | 使用原料 | 精米歩合 | こうじ米使用割合 | 香味等の要件 |
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特別純米酒 (とくべつじゅんまいしゅ) | 米 米こうじ | 60%以下又は特別な製造方法(要説明表示) | 15%以上 | 香味、色沢が特に良好 |
※白米の重量に対する醸造アルコール添加量が10%以下であること
特別純米酒の精米歩合はおおむね60%以下ですが、特別な製造方法で造られた場合は精米歩合の規定はありません。